『Here We Go! 6』の「言葉について考えよう 2」では,「文の組み立て」が扱われています。
日本語の「わたしは魚を食べる」は,英語では “I eat fish.” になり,語順が違うことを,児童に気づかせることができます。
また,日本語の「わたしは魚を食べる」を,英語では “I eat fish,” 中国語では「我吃鱼」(wǒ chī yú),韓国語では「나는 생선을 먹는다」 (na-neun saeng-seon-eul meong-neun-da) ,であることが紹介されています。単語の背景色が青,緑,ピンクと分けられており,日本語と韓国語は語順が同じ (SOV),英語と中国語は語順が同じ (SVO) ことを,児童に気づかせることができます。
ここで,もう少し詳しく取り上げると児童は更に興味を持ちます。
日本語では「わたしは」「魚を」「食べる」の語順が一般的ですが,語順を入れ替えても意味が通じます。
「魚を食べる,わたしは。」
「食べる,わたしは魚を。」
「わたしは食べる,魚を。」
等です。
日本語は格助詞があるため,語順を入れ替えても意味が通じます。ですが,英語や中国語に格助詞はないため,語順を入れ替えると意味が通じません。ですので,語順が重要です (英語の格変化は,代名詞 he, him などにみられます)。
なお,韓国語には格助詞がありますので,日本語と共通しています (上記の文における 는,을)。
また,日本語は主語を省略しても意味が通じます。
「わたしは」を隠し,「魚を食べる」を提示して「違和感ありますか?」と尋ねた際,児童は違和感がないと言いました。「むしろ,『わたしは』をつけると,めっちゃ自分のことを言っている気がする」と指摘した児童もいました。
日本語は主語がなくても通じるため,英語の文章を考えるときには気をつけることを伝えました。
伝統的なアラビア語では「آكُلُ أَنا السَّمَكَ.(ʾākulu ʾanā as-samak(a))」となり,VSOの語順になります。また,1人称のときには動詞自体に「私が食べる」が含まれているため,主語「わたし (أَنا)」は省略することが普通だそうです。なお,現代標準アラビア語では,VSO も SVO も,どちらも普通に使われるとのことです。
様々なことばについて紹介すると,児童から次々と質問ができます。一緒に考えるのは,とても楽しい時間です。





