お勧めの絵本: FORTUNATELY

“FORTUNATELY” です。日本語訳は、「よかったねネッドくん」です。
“Fortunately” “unfortunately” が交互に繰り返されます。
交互に繰り返されるので、英語のままでもそれとなく内容が理解できるようです。
予想を上回る驚きの展開に、子供たちからも「えー!」の声があがり、盛り上がります。
図書館には、「よかったねネッドくん」の大型絵本がありました。
大型絵本には日本語、英語の両方が記載されていました。

小学校英語各教科書会社の4線

小学校英語各教科書会社の4線の間隔を調べました。
以下の通りです。

この4線、「地上2階、地下1階」の家に例えて指導します。
小文字を書く際、「1階」部分をよく用います。そのため、「1階」部分を広めにすることで、小学生にも書きやすくなります。
しかし、広すぎると大文字が書きにくいという意見もあります。
教科書会社によって線間の比率が異なります。

Let’s try! We can! アルファベットカードの色分け

Let’s try! 1,2 We can! 1 には、巻末にアルファベットカードがついています。
Let’s try! 1 は大文字のカード、Let’s try! 2 は大文字のカードと小文字のカード、We can! 1 は、大文字と小文字が表裏になっているカードが添付されています。
大文字カードは、図1のように色分けがされています。どんな基準で色分けがされているか、分かりますでしょうか。

(図1)

色ごとに並べ替えると分かりやすいかもしれません(図2)。

(図2)

実は、アルファベットの音で分かれています(図3)。例えば、青色には /i:/ の意図が含まれています。

(図3)

子供たちにカードを切り取らせた後、色ごとに分けさせ、なぜこのような色になっているのか考えさせます。
この活動を通じて音に気づかせることができます。

すると、 “A” は「エー」ではなく /ei/ であること、 “V” は「ブイ(ヴイ)」ではなく、 /vi:/ であること、 “Z” は「ゼット」ではなく、 /zi:/ であること等に気づくことができます。

このカードを用いて、「アルファベットの導入」(別記事)に取り組みます。また、「身近なアルファベット探し」(別記事)に繋げることができます。

“Can you ~?” を指導する順序

“Can you swim?” の “swim” に当たる箇所には動詞が入ります。
動詞には自動詞と他動詞があります。
自動詞に目的語は要りませんが、他動詞には目的語が必要です。

順序としては、自動詞から指導する方が児童の負担が少ないです。
“Can you swim?” “Can you jump?” “Can you run?” “Can you dance?” 等です。

自動詞を用いた対話活動を行い、 “can” に慣れたら他動詞に入ります。
“Can you play baseball?” “Can you eat tomatoes?” 等です。
楽器には定冠詞が付くので、他動詞に慣れてから用いる方が分かりやすいです。
“Can you play the piano?” 等です。

その次に、副詞を導入します。
“high” “fast” “well” 等です。
自動詞の方が用いやすいです。
“Can you swim fast?” のようになり、曖昧さがなくなります。

なお、定冠詞なしの楽器の表現もあります。
“play piano.” → ピアノを演奏するプロに対して尋ねる場合。
“play a piano.” → ピアノを、楽器としてではなく、ピアノで遊ぶ場合。
いずれも、特殊な状況になります。

Paprika

“Foorin team E” が歌うパリプカの英語版、 “Paprika” は子供たちに人気です。
昨年度、私の勤務校の運動会では全校生が縦割り班でパプリカを踊りました。
とても微笑ましく、素敵なダンスとなりました。
“Paprika” の音楽を聞くと、自然と体が動く子もいます。

「パプリカ」(日本語)の「会いに行くよ」は、 “paprika” (英語)では “I will run to you” となっており、最初の音(2モーラ、1音節) /ai/ /aɪ/ は音が近いですね。音の近さまで考えて訳されているんだと、驚きました。

少し気になるのは、サビの “Paprika” を4音節で歌っていることです。
日本語の「パプリカ」は4モーラですが、英語の “Paprika” は3音節。
英語母語話者に確認したところ、確かに英語では “Paprika” を4音節で言うことはないようです。また、 “I” を「会い」に合わせて2音節に引っ張っているので、「強調」の解釈もできてしまいそうです。

ですが「パプリカ」は日本語オリジナルが前提の曲なので、英語母語話者にとってもあまり違和感はないようです。

ソーシャルディスタンス

ソーシャルディスタンス確保のため、座席同士の間隔をなるべく広くとりました。
昨年度の3学期、英語教室の机は一新しました。全て5号の新しい机です。
また、勤務校では全クラスに消毒用のアルコールも用意しました。
これからさらに準備を整えていきます。

地元の駅名から、ローマ字について考える教材を作成しました

地元兵庫県の駅名を使って、ヘボン式と訓令式ローマ字の教材を作成しました。

JR豊岡駅には、国鉄時代の標識が残っています。
「豊岡」→TOYOOKA
標識には、両隣の駅も表示されています。
「こくふ」→KOKUHU
「げんぶどう」→GEMBUDŌ

この写真から気づいたことを読み取らせます。

  • 全て大文字
  • 「こくふ (KOKUHU)」の「ふ」が “HU” (訓令式)。
  • 「げんぶどう (GEMBUDŌ)」の「ん」が “M” (ヘボン式)。
  • 「げんぶどう」の “Ō”。 “O” の上に線がある。
    ※これはマクロンといいます。ヘボン式のルールに入っています。
  • (兵庫県豊岡市)と,標識に県・市が書かれている。
  • “TOYOOKA” の中に “O” が2つ並んでいるのはOK?
    ※長音ではないので,OKです。
  • “K” の文字が小文字っぽい。

次に、現在(JR)の駅標識を提示し、違いを読み取らせます。

  • 頭文字(かしらもじ)だけが大文字。
  • 「こくふ」の「ふ」が “fu” (ヘボン式)。
  • 「げんぶどう」 “o” の上に線(マクロン)はそのまま。
  • 「兵庫県豊岡市」という、県・市の表記がなくなった。
  • 青い色(JR西日本のシンボルカラー)が入った。

かつての国鉄では訓令式ローマ字とヘボン式ローマ字が混ざっていました、現在はヘボン式ローマ字になっていることを確認します。

ところで、玄武洞駅(Gembudō)の “o”には横線(マクロン)が入っています。これは、通常使われていません。
では、他の駅にマクロンが入っているかどうか、クイズを出します。

  • 「きょうと」駅 (JR西日本)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。
  • 新幹線の「きょうと」駅 (JR東海)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。
  • 「とうきょう」には「う」が2つあります。「とうきょう」駅 (JR東日本)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。

JR西日本の「きょうと」は、「げんぶどう」と同じ会社なので、マクロンが入っているという予想もあります。ですが、新幹線の「きょうと」や「とうきょう」は外国人観光客も多く、有名なのでマクロンがないという予想が多いです。

それぞれの駅標識の写真を提示します。答えは、全て入っています。
JRのルールでは、長音にマクロンを入れることになっているようです。

では、なぜマクロンは普段使われていないのでしょうか。
例えば、パスポートの名前表記にマクロンは使われません。
どうやら、話者の多い言語にマクロンが用いられていないから、というのが理由の一つのようです。
パソコンで入力しようとすると、一々文字パレットから入力する必要があり、煩雑です(マオリ語やラトビア語にはありるので、対応したキーボード設定なら入力もしやすいと思います)。
一方、訓令式ローマ字のサーカムフレックスはフランス語、ポルトガル語、ベトナム語等で用いられており、パソコンでの入力も簡単です。
例えば、訓令式ローマ字で「げんぶどう」は “Genbudô” となります。 “o”の上の “ˆ” がサーカムフレックスです。小学校3年生の国語の授業で習いますね。

なお、JR以外の「きょうと」「とうきょう」表記に、通常マクロンは使われません。
近鉄京都駅、丸ノ内線東京駅、東京駅近くの信号、東京国際空港(羽田空港)、の標識の写真を提示します。
全てマクロンが使われていません。そして、ヘボン式ローマ字での長音の表記について再度確認をします。

PraatでVOTを観察しよう

日本語の「ペン」と英語の “pen” は同じ音でしょうか、それとも違う音でしょうか。
発音記号で書くと、どちらも /pen/ です。撥音「ん」は子音のみの特殊モーラですので、語末が母音にならないため、日本語の「ペン」と英語の “pen” は同じ発音記号になります。
実は、日本語と英語は同じ音ではありません。無声閉鎖子音 /p/ の破裂の強さが違います。Praatで録音し、比較すると、違いが明らかになります(図1)。

(図1)

よく似ていますが、赤四角で囲った範囲の広さが異なります(図2)。

(図2)

英語の方が、/e/ の音が開始されるまでの時間が長いことが分かります。
波形(wave form)に表示されている青縦線をパルスといいますが、これは声帯振動を表しています。また、声帯振動が起きている証拠として、スペクトログラムの低い周波数帯にエネルギーが確認されます(川原, 2018)。この、口の閉じた状態を解放してから声帯振動が始まるまでの時間をVOT (Voice Onset Time) といいます(Lisker & Abramson, 1964)。/p/ は、無声閉鎖子音で、母音 /e/ が開始されるまでの時間が、英語の方が長いことが分かります。
/p/ の開始地点のスペクトログラムを観察すると、日本語より英語の方が幅広い周波数に渡って強く出現しているので、定規で引いたようにまっすぐな線で始まっていますね。じっくり観察すると、英語の方が母音 /e/ の持続時間が長いことも分かります。
語頭の破裂音でVOTが観察されます。有声閉鎖子音の方がVOTが短く、無声閉鎖子音の方が長くなります。
破裂音のVOTは、様々な単語で観察されます。

図3は、「タイム」と “time” です。やはり、赤線で囲ったVOTの長さが異なります。
日本語は /a/ と /i/ の2つの母音ですが、英語は /aɪ/ の二重母音になっているため、スペクトログラムに母音の特徴が現れています。

(図3)

図4は、「ポスト」と “post” です。VOT が異なるほか、日本語は一文字ずつに母音が挿入されいることがスペクトログラムから読み取れます。また「ポスト」は語末の母音 /o/ が現れていますが、英語には語末母音がないこともスペクトログラムから読み取れます。

(図4)

図5は、「ブック」と “book” です。日本語と英語では VOT が異なります。また、「ブック」には促音「っ」が入っており、「ク」の前に空白が観察されます。日本語の促音は、直後の子音前に発音を止めることであることがよく分かります。

(図5)

このように、Praatを用いると日本語と英語の破裂音の違いが観察できます。
英語の語頭閉鎖音を練習するには、ティッシュの端をつまみ、口の前に持ってくることで破裂の強さを体感する方法があります。日本語で「ペン」と言っても、ティッシュペーパーはあまり揺れません。しかし、英語は破裂が強いので、ティッシュペーパーが勢いよく動きます。あまりティッシュペーパーが揺れなかった方は、揺れるように意識すると、強く破裂できるようになります。

川原繁人(2018). 『ビジュアル音声学』三省堂.
Lisker, L., & Abramson, A. S. (1964). A Cross-Language Study of Voicing in Initial Stops: Acoustical Measurements. WORD, 20(3), 384–422.

身近なアルファベット探し

私の勤務校の中や近くで見つけたアルファベットです。

AEDは、Automated(自動) External(外部=体外式) Defibrillator(除細動器)の略です。

“Safety Evacuation Area”

“FIRE HYDRANT” 全て大文字ですね。

○○○ Elementary School 「前」は省略されていますね。

企業のロゴは大文字が多いですが、こうしてみると身近に小文字も結構使われていることが分かります。

ことばを削る

英語専科はエネルギーが要ります。

こちらはずっと行っているいつもの教科ですが、子供たちにすればたまにしかない楽しい授業。
ハイテンションで英語教室にきてくれます。楽しく外国語活動に取り組んでくれるのはとてもうれしいのですが、とにかく体力が要ります。
1時間子供たちが大盛り上がりの授業をすれば、体力を消費します。

学級担任をしていたときは、1時間ずっと大盛り上がりの授業はそうそうありませんでした。じっくり計算をさせたり、音読をさせたり、思考を深める授業がたくさんあり、その中の一部です。

しかし、英語専科は大盛り上がりの連続です。
英語専科を始めてしばらくは、とにかく疲弊しきる毎日でした。
放課後は何も手が着かず、週末はエネルギーを回復させるのに専念するのみ。

「これでは身体が持たない」と思いながら1年半。エネルギーを節約する方法がいろいろ見つかってきました。

その中の一つは、言葉を削ること。
極力こちらから指示を出すことを削ります。

例えば、 “Repeat after me.” は不要。
フラッシュカードを発音しながらめくり始めると、子供たちも自然と反復します。
カホンを叩きながら発音すると、児童も反復練習を始めます。
プリントを配るときに、「プリントを配ります。なぞって、その後写しましょう。」等も不要。
黙ってプリントを配れば、自然と子供たちは作業に取り組みます。
電子黒板を使ってコンテンツを見せる、或いはビデオ映像を見せるとき、何も指示は必要ありません。映像が始まれば、子供たちは自然と見始めます。

不思議なことに、言葉を削るとこちらの指示がより通るようになり、落ち着きが増したことを感じました。

向山洋一先生は、授業の原則の第3条に「簡明の原則」を挙げられています(向山,1985)。これまでも言葉を削ることを心がけてきたつもりでしたが、まだまだ削る余地がありました。

向山洋一. (1985). 授業の腕をあげる法則. 明治図書出版.