英語の「左右」は難しいようです

「左」は英語で “left” 「右」は英語で “right” です。
「レフト」「ライト」は、特に野球をしている子供たちには馴染みのある単語です。

アメリカの子供たちは、左手の親指と人差し指で “L” の字を作れるので、左手= “Left” の “L” と覚えます。

ライトとレフト 右と左の 教え方 覚え方

一方、 “right” は “write” と音が同じなので、 “write” する手が “right” という覚え方があります。「左利きは?」という質問も子供たちから出ますが、「音が同じだから、こういう覚え方もあるんだよ」と話します。

“Left” “right” を定着させるために、「旗揚げゲーム」のような活動が有効です。
“left 上げて” “right 上げて” “left 下げないで” “right 下げる” のように指示します。
日本語が混じりますが、初期段階ではとても有効なゲームです。子供たちには目を閉じさせて取り組ませます。目を開けたとき、指示通り動けていたかが一目瞭然です。

次に、 “turn left” “turn right” ゲームをします。
“turn left” と指示されれば、“turn left” と言いながら左に90度回ります。
“turn right” と指示されれば、“turn right” と言いながら右に90度回ります。
“go straight” と指示されれば、“go straight” と言いながらその場で2歩足踏みをします。

安全のために椅子を机の中に入れさせた上でゲームに取り組みます。
ルールを確認できた後、目をつぶって取り組ませます。
目を開けたとき指示通りに動けていたかが確認でき、互いの様子を見て盛り上がります。

このようなゲームをある程度繰り返すことで、 “left” “right” を定着させることができます。

この段階でALTに同じゲームをしてもらうと、混乱してしまう児童がたくさんいます。
分かっていたつもりが、母語話者の英語を聞くと分かりづらいのです。

この混乱の原因は、英語の “left” と “right” の音がよく似ているからにあります。
語頭の子音 (onset) は、流音の /l/ と /r/ です。
母音 (nucleus) は /ɛ/ と /aɪ/ ですが、/ɛ/ と /a/ の調音位置がとても近いのです。
ですから、日本語母語話者が混乱するのも無理はありません。
詳しくは、岡本 (2019) にて音響音声分析から考察しています。

岡本真砂夫. (2019). 音響音声学に基づく “Left” と “Right” の分析 ―児童の混乱要因―. JES Journal, (19), 86–100.