地元の駅名から、ローマ字について考える教材を作成しました

地元兵庫県の駅名を使って、ヘボン式と訓令式ローマ字の教材を作成しました。

JR豊岡駅には、国鉄時代の標識が残っています。
「豊岡」→TOYOOKA
標識には、両隣の駅も表示されています。
「こくふ」→KOKUHU
「げんぶどう」→GEMBUDŌ

この写真から気づいたことを読み取らせます。

  • 全て大文字
  • 「こくふ (KOKUHU)」の「ふ」が “HU” (訓令式)。
  • 「げんぶどう (GEMBUDŌ)」の「ん」が “M” (ヘボン式)。
  • 「げんぶどう」の “Ō”。 “O” の上に線がある。
    ※これはマクロンといいます。ヘボン式のルールに入っています。
  • (兵庫県豊岡市)と,標識に県・市が書かれている。
  • “TOYOOKA” の中に “O” が2つ並んでいるのはOK?
    ※長音ではないので,OKです。
  • “K” の文字が小文字っぽい。

次に、現在(JR)の駅標識を提示し、違いを読み取らせます。

  • 頭文字(かしらもじ)だけが大文字。
  • 「こくふ」の「ふ」が “fu” (ヘボン式)。
  • 「げんぶどう」 “o” の上に線(マクロン)はそのまま。
  • 「兵庫県豊岡市」という、県・市の表記がなくなった。
  • 青い色(JR西日本のシンボルカラー)が入った。

かつての国鉄では訓令式ローマ字とヘボン式ローマ字が混ざっていました、現在はヘボン式ローマ字になっていることを確認します。

ところで、玄武洞駅(Gembudō)の “o”には横線(マクロン)が入っています。これは、通常使われていません。
では、他の駅にマクロンが入っているかどうか、クイズを出します。

  • 「きょうと」駅 (JR西日本)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。
  • 新幹線の「きょうと」駅 (JR東海)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。
  • 「とうきょう」には「う」が2つあります。「とうきょう」駅 (JR東日本)の「う」にマクロンは入っていると思いますか。

JR西日本の「きょうと」は、「げんぶどう」と同じ会社なので、マクロンが入っているという予想もあります。ですが、新幹線の「きょうと」や「とうきょう」は外国人観光客も多く、有名なのでマクロンがないという予想が多いです。

それぞれの駅標識の写真を提示します。答えは、全て入っています。
JRのルールでは、長音にマクロンを入れることになっているようです。

では、なぜマクロンは普段使われていないのでしょうか。
例えば、パスポートの名前表記にマクロンは使われません。
どうやら、話者の多い言語にマクロンが用いられていないから、というのが理由の一つのようです。
パソコンで入力しようとすると、一々文字パレットから入力する必要があり、煩雑です(マオリ語やラトビア語にはありるので、対応したキーボード設定なら入力もしやすいと思います)。
一方、訓令式ローマ字のサーカムフレックスはフランス語、ポルトガル語、ベトナム語等で用いられており、パソコンでの入力も簡単です。
例えば、訓令式ローマ字で「げんぶどう」は “Genbudô” となります。 “o”の上の “ˆ” がサーカムフレックスです。小学校3年生の国語の授業で習いますね。

なお、JR以外の「きょうと」「とうきょう」表記に、通常マクロンは使われません。
近鉄京都駅、丸ノ内線東京駅、東京駅近くの信号、東京国際空港(羽田空港)、の標識の写真を提示します。
全てマクロンが使われていません。そして、ヘボン式ローマ字での長音の表記について再度確認をします。

身近なアルファベット探し

私の勤務校の中や近くで見つけたアルファベットです。

AEDは、Automated(自動) External(外部=体外式) Defibrillator(除細動器)の略です。

“Safety Evacuation Area”

“FIRE HYDRANT” 全て大文字ですね。

○○○ Elementary School 「前」は省略されていますね。

企業のロゴは大文字が多いですが、こうしてみると身近に小文字も結構使われていることが分かります。

ことばを削る

英語専科はエネルギーが要ります。

こちらはずっと行っているいつもの教科ですが、子供たちにすればたまにしかない楽しい授業。
ハイテンションで英語教室にきてくれます。楽しく外国語活動に取り組んでくれるのはとてもうれしいのですが、とにかく体力が要ります。
1時間子供たちが大盛り上がりの授業をすれば、体力を消費します。

学級担任をしていたときは、1時間ずっと大盛り上がりの授業はそうそうありませんでした。じっくり計算をさせたり、音読をさせたり、思考を深める授業がたくさんあり、その中の一部です。

しかし、英語専科は大盛り上がりの連続です。
英語専科を始めてしばらくは、とにかく疲弊しきる毎日でした。
放課後は何も手が着かず、週末はエネルギーを回復させるのに専念するのみ。

「これでは身体が持たない」と思いながら1年半。エネルギーを節約する方法がいろいろ見つかってきました。

その中の一つは、言葉を削ること。
極力こちらから指示を出すことを削ります。

例えば、 “Repeat after me.” は不要。
フラッシュカードを発音しながらめくり始めると、子供たちも自然と反復します。
カホンを叩きながら発音すると、児童も反復練習を始めます。
プリントを配るときに、「プリントを配ります。なぞって、その後写しましょう。」等も不要。
黙ってプリントを配れば、自然と子供たちは作業に取り組みます。
電子黒板を使ってコンテンツを見せる、或いはビデオ映像を見せるとき、何も指示は必要ありません。映像が始まれば、子供たちは自然と見始めます。

不思議なことに、言葉を削るとこちらの指示がより通るようになり、落ち着きが増したことを感じました。

向山洋一先生は、授業の原則の第3条に「簡明の原則」を挙げられています(向山,1985)。これまでも言葉を削ることを心がけてきたつもりでしたが、まだまだ削る余地がありました。

向山洋一. (1985). 授業の腕をあげる法則. 明治図書出版.

 

英語の挨拶あれこれ

Let’s try! での挨拶は、 “How are you?” の返答として、 “I’m fine.” “I’m hungry.” “I’m sleepy.” “I’m happy.” が扱われています。

しかし挨拶として “I’m sleepy.” と答えると、失礼に当たる可能性があります。
親密な仲ならともかく、一般的な関係ですと「私と一緒にいるのは退屈なのかな」と思われかねません。
挨拶ですので、ネガティブなことは普通言わないですね。

そこで、 Let’s try! の表現が定着した後、ポジティブな表現を教えます。
“I’m fine.” “I’m good.” “I’m O.K.” “I’m well.” です。
ALTが “How are you.” と尋ねたとき、児童はいつもポジティブな返答をするようになりました。

さらに、 “What’s up?” “Nothing.” も扱いました。
ちなみに “What’s up?” の fist bump は、Hello song の振り付けにも使えます。

今は、”How’ve you been?” にも取り組んでいます。

まずは、 “How have you been?” の省略形で、 “How’ve you been?” という固まりのまま教えました。
ある程度定着したところで、 “How have you been?” に移行しました。省略しないのは難しいかも、と心配しましたが、あっという間に定着しました。
答え方については、本来は “I’ve been good.” ですが、まずは “good” とだけ答えるようにしています。
こちらも、 “I’ve been good.” にも挑戦させてみたいです。

部活動における club と team

We can! 2 Unit 9 では、”What do you want to do in junior high school?” が扱われています。
部活動における club と team の扱いが、迷うところです。

team
・ dance team, volleyball team, basketball team, track and field team
club
kendo club, science club, calligraphy club, computer club, art club, drama club, newspaper club

team は、「チーム」とカタカナ表記されるように、団体戦の運動部かな?と思いました。しかし、陸上部もチームですし、剣道部はクラブに入っています。
文化部と運動部かな?と思いましたが、やはり剣道部がクラブなのは違和感があります。
この違いは指導編にも記載されていませんでした。

ALTに尋ねたところ、団体戦の運動部は「チーム」、個人戦の運動部と文化部は「クラブ」とのことでした。

すると、疑問があります。
「陸上部は個人戦では?」と尋ねたところ、「リレー種目もあるから団体戦だと考えられている」とのことでした。
「では剣道部か?剣道も団体戦がありますよ」と尋ねたところ、「剣道は個人種目だと考えられている」とのことでした。
おそらく、「柔道部」「相撲部」も「クラブ」に入りそうです。

気まぐれシェフゲーム

“What would you like?” の表現を定着させるため、「気まぐれシェフゲーム」に取り組んでいます。

ルール
① 児童はペアになり、「シェフ」と「客」になります。
② シェフは、Wc can! 巻末カードから好きなカードを5枚選びます。
③ シェフは、 “What would you like?” と客に尋ねます。
④ 客は、 “I’d like hamburger.” 等と、注文します。
⑤ シェフが hamburger のカードを持っていたら、客に渡します。持っていない場合、客はカードをもらえません。カードを渡した場合、すぐに1枚持ちカードに補充します。
⑥ シェフは3回 “What would you like?” と尋ねます。3回のやり取りを終えると、ペア交代です。
⑥ 次々とペアを変えていきます。一通り終えた段階で、ゲーム終了です。最も持ちカードの多い客の勝ちとなります。

ゲームを通じて、”What would you like?” “I’d like…” の表現を定着させることができます。

英字新聞 Japan News の活用

英字新聞の The Japan News を購読しています。

日頃英語を使う機会が少ないので、新聞くらいは英語でと思い、毎朝読んでいます。

月に2回(火曜日)、 News in Pictures が掲載されます。
新聞の真ん中の紙面で、見開き2ページです。
話題になっているニュースの特集が掲載されます。

例えば、2020年1月14日の特集は、オーストラリアの山火事でした。
“Staggering scale of Australia’s wildfires” という見出しです。
この記事を見て、初めてオーストラリアの山火事について知った児童もいました。

2020年1月7日は、新年を祝う様子が掲載されていました。
“World celebrates dawn of a new decade” というタイトルです。
ちょうどきりの良い年だから、このタイトルなのですね。

写真が中心なので、子供たちにもある程度理解することができます。
また、それとなく英文に興味を持ってほしいとおもっています。
掲示しておくことで、子供たちもニュースに関心が持てるようです。

マジックe

フォニックスに「マジックe」という概念があります。
こちらのサイトがとても分かりやすかったです。
英語の発音における「マジックe」の性質と使いこなし方

小学生にとって身近な「マジックe」とは何か、考えてみました。

アルファベットの “a” (/eɪ/)
age(/eɪdʒ/)
face(/feɪs/)
fake(/feɪk/)
take(/teɪk/)

アルファベットの “i” (/aɪ/) ※発音記号は Wells(2008)より
bike(/baɪk/)
five(/faɪv/)
nine(/naɪn/)
price(/praɪs/)
write(/raɪt/)

アルファベットの “o” (/oʊ/) ※発音記号は Wells(2008)より (Gen Am)
home(/hoʊm/)
joke(/dʒoʊk/)
phone(/foʊn/)
rose(/roʊz/)
smoke(/smoʊk/)
stove(/stoʊv/)

アルファベットの “u” (/ʒuː/)
June(/dʒuːn/)

スポーツメーカーのナイキも、マジックeになっていますね。
Nike

Wells, J. C. (2008). Longman pronunciation dictionary (3rd ed). Pearson/Longman.

What would you like? 店員ゲーム

“What would you like?” は、 We can! 1 Unit 8 で扱われています。
児童は “What do you like?” に慣れていますので、違いを意識させる必要があります。
返答 (reply) する際の “I’d like 〜.” の /d/ を指導する際、私はPraatを使っています。私が「ドゥ」と発音した声を録音します。

Praatで波形を表示した状態で、後半のみ再生すると /du/ の /u/ の音が確認できます。「ドゥ」は子音+母音で構成されていることが理解できます。

逆に、前半のみ再生すると、 /du/ の /d/ 音が再生されます。

そして、「ドゥ」の /d/ だけが意識できるよう、板書します。

“I’d like 〜.” の /d/ は「ドゥ」の母音(/u/)を切り離した子音だけであることを、このように視覚から確認させると、児童は発音しやすくなります。

教室には備品として、「レストランセット」があります。このセットとテキストを用いて、マスター店員ゲームに取り組ませます。

4人1組にして、一人が店員、残りは客になります。店員は「Staff」の腕章をつけ、ホルダーに入れた「店員(レベル1)」のカードを付けます。客は Hi, friends! 見開きのメニューを見て、好きな料理を選びます。
店員は、 “What would you like?” と尋ね、客はそれぞれ “I’d like a hamburger.” “I’d like a sandwich.” と一つずつ注文していきます。
店員は3人の注文を全て暗記します。全員の注文を聞き終えた後、教材の料理を提供します。
3人の料理を間違えず、注文通りに提供できれば、レベル2「すごい店員」にレベルアップします。

店員がレベル2になれば、客は2品ずつ注文していきます。計6品を暗記し、提供できればレベル3「カリスマ店員」になります。
計9品を提供できれば、レベル4「抜群の信頼」と、レベルアップしていきます。

ルールを少し変えて遊ぶこともできます。
「レベル1」〜「レベル4」のカードを予め配布しておき、商品を全て班の真ん中辺りに並べさせます。
4人の中で、順番に「店員」になっていくのですが、「店員」は自分でレベルを決めます。自信がなければ「レベル1」、自信があれば「レベル4」等です。
「店員」は客に “What would you like?” と尋ね、「客」は商品を見ながら “I’d like hamburger.” 等と注文します。店員がレベル1なら客は一つずつ商品を注文し、店員がレベル2なら2つずつ注文します。
このルールなら、全員が店員をできるという利点があります。

ゲームを通じて、 “What would you like?” “I’d like…” の対話を定着させることができます。

“What would you like?” 巻末カードゲーム

We can! 巻末にはカードがあります。We can! 1 Unit 8 “What would you like?” での活用方法です。

準備
① 食べ物のカードを全て切り取らせる。
② 4人1組のグループにする。
③ 64,65ページにメニューが載っているので、用意させる。
④ 班に教材用のお札を10枚ずつほど配布する。

ルール
① 4人のうち、1人が客、3人が店員になる。
② 店員は一斉に “What would you like?” と、客に尋ねる。
③ 客はテキストのメニューを見て、 “I’d like pizza.” 等と注文をする。
④ 店員は、 “pizza” のカードを客に渡す。
⑤ 最も早く提供した店員の勝ち。客はその店員にお札を渡す。
⑥ このように、 “What would you like?” “I’d like…” と注文、提供を繰り返す。
⑦ 客のお札が全てなくなったらゲーム終了。最も札の多い店員の勝ち。

ゲームを通じて、 “What would you like?” “I’d like…” を何度も用いますので、定着を図ることができます。