マジックe

フォニックスに「マジックe」という概念があります。
こちらのサイトがとても分かりやすかったです。
英語の発音における「マジックe」の性質と使いこなし方

小学生にとって身近な「マジックe」とは何か、考えてみました。

アルファベットの “a” (/eɪ/)
age(/eɪdʒ/)
face(/feɪs/)
fake(/feɪk/)
take(/teɪk/)

アルファベットの “i” (/aɪ/) ※発音記号は Wells(2008)より
bike(/baɪk/)
five(/faɪv/)
nine(/naɪn/)
price(/praɪs/)
write(/raɪt/)

アルファベットの “o” (/oʊ/) ※発音記号は Wells(2008)より (Gen Am)
home(/hoʊm/)
joke(/dʒoʊk/)
phone(/foʊn/)
rose(/roʊz/)
smoke(/smoʊk/)
stove(/stoʊv/)

アルファベットの “u” (/ʒuː/)
June(/dʒuːn/)

スポーツメーカーのナイキも、マジックeになっていますね。
Nike

Wells, J. C. (2008). Longman pronunciation dictionary (3rd ed). Pearson/Longman.

What would you like? 店員ゲーム

“What would you like?” は、 We can! 1 Unit 8 で扱われています。
児童は “What do you like?” に慣れていますので、違いを意識させる必要があります。
返答 (reply) する際の “I’d like 〜.” の /d/ を指導する際、私はPraatを使っています。私が「ドゥ」と発音した声を録音します。

Praatで波形を表示した状態で、後半のみ再生すると /du/ の /u/ の音が確認できます。「ドゥ」は子音+母音で構成されていることが理解できます。

逆に、前半のみ再生すると、 /du/ の /d/ 音が再生されます。

そして、「ドゥ」の /d/ だけが意識できるよう、板書します。

“I’d like 〜.” の /d/ は「ドゥ」の母音(/u/)を切り離した子音だけであることを、このように視覚から確認させると、児童は発音しやすくなります。

教室には備品として、「レストランセット」があります。このセットとテキストを用いて、マスター店員ゲームに取り組ませます。

4人1組にして、一人が店員、残りは客になります。店員は「Staff」の腕章をつけ、ホルダーに入れた「店員(レベル1)」のカードを付けます。客は Hi, friends! 見開きのメニューを見て、好きな料理を選びます。
店員は、 “What would you like?” と尋ね、客はそれぞれ “I’d like a hamburger.” “I’d like a sandwich.” と一つずつ注文していきます。
店員は3人の注文を全て暗記します。全員の注文を聞き終えた後、教材の料理を提供します。
3人の料理を間違えず、注文通りに提供できれば、レベル2「すごい店員」にレベルアップします。

店員がレベル2になれば、客は2品ずつ注文していきます。計6品を暗記し、提供できればレベル3「カリスマ店員」になります。
計9品を提供できれば、レベル4「抜群の信頼」と、レベルアップしていきます。

ルールを少し変えて遊ぶこともできます。
「レベル1」〜「レベル4」のカードを予め配布しておき、商品を全て班の真ん中辺りに並べさせます。
4人の中で、順番に「店員」になっていくのですが、「店員」は自分でレベルを決めます。自信がなければ「レベル1」、自信があれば「レベル4」等です。
「店員」は客に “What would you like?” と尋ね、「客」は商品を見ながら “I’d like hamburger.” 等と注文します。店員がレベル1なら客は一つずつ商品を注文し、店員がレベル2なら2つずつ注文します。
このルールなら、全員が店員をできるという利点があります。

ゲームを通じて、 “What would you like?” “I’d like…” の対話を定着させることができます。

“What would you like?” 巻末カードゲーム

We can! 巻末にはカードがあります。We can! 1 Unit 8 “What would you like?” での活用方法です。

準備
① 食べ物のカードを全て切り取らせる。
② 4人1組のグループにする。
③ 64,65ページにメニューが載っているので、用意させる。
④ 班に教材用のお札を10枚ずつほど配布する。

ルール
① 4人のうち、1人が客、3人が店員になる。
② 店員は一斉に “What would you like?” と、客に尋ねる。
③ 客はテキストのメニューを見て、 “I’d like pizza.” 等と注文をする。
④ 店員は、 “pizza” のカードを客に渡す。
⑤ 最も早く提供した店員の勝ち。客はその店員にお札を渡す。
⑥ このように、 “What would you like?” “I’d like…” と注文、提供を繰り返す。
⑦ 客のお札が全てなくなったらゲーム終了。最も札の多い店員の勝ち。

ゲームを通じて、 “What would you like?” “I’d like…” を何度も用いますので、定着を図ることができます。

ジャンピングゲーム

たんぼのお家に「ジャンピングゲーム」を掲載しています。
ディスプレイに掲示し、教師が発音した単語を反復させながら、その方向に児童がジャンプするという簡単なゲームです。
最初の画像は、 “ice cream” と “chocolate” です。

教師が “ice cream” と言えば、児童は “ice cream” と発音しながら左にジャンプします。 “chocolate” なら、逆方向にジャンプします。
実は、 “ice cream” と “chocolate” は同じ2音節の単語です。 “chocolate” は3音節に見えますが、 /ko/ の /o/ は脱落し、 /ʈʃɒk/ /lət/ の2音節になります。日本語ですと「チョコレート」の5拍ですから、音の違いを学ばせることができます。「チョコレート」は拗音と長音が入っていますから、日本語を学習している外国人にとっても難しそうです。

次の画像は “dog” と “cat” です。

どちらも1音節ですね。

次の画像は “L” と “R” です。

“left” “right” 学習の一環として使えます。

ジャンプさせる際、同じ単語を2回連続で言う、 “left, right” と異なる単語を連続で言う、「小さく left」「大きく right」と跳び方を変える等、変化を持たせることができます。

正距方位地図から見る世界の都市

英語教室の天井に、世界の様々な都市への距離を記入した矢印を貼っています。

これは、正距方位地図を元に作成しました。

「どこでも方位図法」のサイトから、正距方位図法の地図を作成し、これを元に矢印を作成しました。

英語教室に来た児童に、世界との繋がりを感じてほしいと思って作成しました。

天井の矢印を見て気づくのは、「ニューヨーク」「リオデジャネイロ」「ロンドン」等、北方向の都市が多いことです。メルカトル図法では、アメリカは東方向にあるように思えますが、実は北(北東)方向なのですね。
昔、ニューヨークに向かう飛行機に乗ったとき、座席に備え付けられているディスプレイの地図に北東方向に向かって飛んでいることが表示され、とても不思議でした。

“How are you?” の焦点

“How are you?” は Let’s try! 1 から扱われている挨拶の表現です。
be動詞が真ん中にある3語文は、無標の場合、be動詞 “are” に焦点が当たります。
be動詞、 “you” は機能語で、 “How” が内容語ですので、セオリー通りですと “How” に焦点が当たりそうですが、本来意味のないはずのbe動詞が焦点語になります。
図1は、ALT(アメリカ出身女性英語母語話者)の “How are you?” をProsogramで分析したものです。

(図1)無標の “How are you?”

確かに “are” に焦点が当たり、ピッチが最も高くなっています。 “you” のピッチ降下幅が大きさは、日本語との違いですね。3語が独立しているのではなく、 “How are” で一つのチャンクになっているようです。

図2は、リプライする際の “How are you?” です。「あなたは?」と聞き返す際のイントネーションです。

(図2)対比的焦点の “How are you?”

「あなたは?」を意味する “you” に焦点が当たっています。
ピッチが上昇した後、下降しています。この下降が重要です。
音声での指導に合わせて、Prosogramの分析結果を示すことで、対比的焦点の概念を分かりやすく伝えることができます。

コピュラ文の指定文、措定文の違いはピッチに現れます。日本語では格助詞、副助詞に相当する違いです。
Jenkins (2000) は、「国際言語としての英語」における
Nuclear stress の重要性を強調すると共に、英語における対比を示す際の  morphological or syntactic resources の少なさ、word order の柔軟性が比較的少ないことから、 contrastive stress の重要性を指摘しています。

Jennifer Jenkins. (2000). The phonology of English is an international language. Oxford University Press.

カルタの整理

TOSS五色英語かるた は3年生から6年生まで使えるすばらしい教材です。
私はかるたを種類ごとに分け、すぐ使えるようにしています。

カードは種類ごとにまとめています。

カード収集用の冊子にちょうど入る大きさです。

授業計画を立てる際、この冊子をパラパラめくって、授業に合うカードを選びます。

おはじきゲーム

おはじきゲームというゲームがあります。
これは、どの学年でもたいへん盛り上がるゲームです。

  1. ジャンケンの仕方を確認します。 “Rock, scissors, paper, one, two, three.” とすることが多いです。ちなみに、 “Rock, scissors, paper, shoot.” とリズムを取るジャンケンもあります。
  2. 色の単語を確認します。フラッシュカードの “Red, blue, yellow, green” を使います。確認した後、フラッシュカードはマグネットで黒板に貼ります。
  3. 手本を示します。ジャンケンをした後、勝った方が好きな色を言います。
    負けた児童がその色のおはじきを持っている場合、1つ渡します。
    負けた児童がその色のおはじきを持っていない場合、渡しません。
    つまりジャンケンに勝っても、おはじきをもらえるとは限りません。
  4. おはじきを1人に4つずつほど配ります。色はランダムです。

ここからゲームを開始します。児童は次々にジャンケンをしていきます。おはじきがなくなった児童には、そっとおはじきを2つくらい渡します。

  1. ある程度時間が経過したら、児童を席に戻らせます。
  2. 全員を起立させます。
  3. “Zero, sit down.” と指示し、おはじきが0個の児童を座らせます。
  4. “One, sit down.” “Two, sit down.”…と、おはじきの数が少ない児童を順に座らせていきます。
  5. “Six, sit down.” と指示するくらいのタイミングで、起立している児童が少なくなれば “How many おはじき do you have?” と起立している児童に尋ねていきます。
  6. 最もたくさん持っている児童が優勝です。

8個持っている児童が英語で「8」と答えようとしても、なかなか “eight” がでてこないことがあります。児童は普段 one, two, three… と順に数えているから英語で数を言うことができますが、実は「8」と “eight” 等が結びついていないことが多いです。大人でも、電話番号を英語で読もうとすると、意外と引っかかるものです。数をとっさに答える練習にもなります。

おはじきは、模様の少ないものの方が使いやすいです。
私は百均のセリアで購入したおはじきが一番使いやすいと思いました。

英語専科の授業記録表と授業予定表

3年生から6年生まで20クラスで英語専科の授業をしていると、「このクラス前は何をしていたかな?」と、前時の内容が分からなくなりがちです。

そこで、表を作成して授業記録を書き込むようにしています。授業を終えた時、取り組んだ内容をすぐにメモします。
また、授業計画を1か月分作成して事前に担任に渡しているのですが、この授業計画表に1日の授業予定を書き込んでいます。1日の授業を見通すことができて、使い勝手がいいです。

授業計画、記録表はホワイトボードにマグネットで固定しています。

ABCからCを取ったら、エビ

「ABCからCを取ったら、エービ(AB)」というテレビコマーシャルがありました。
商品の「海老」が心地よく伝わってくるメロディーに、にぎやかなで明るい食卓が表現されている素敵なCMでしたが、「ABCからCを取ったら、エービ(AB)」は元来の英語の音ではありません。
“a” の音は、 /eɪ/ 、”b” の音は /biː/ 、”c” の音は /siː/ です(Wells, 2008)。
コマーシャルで使われていた、「エー」は、/eː/、「ビー」は /biː/、「シー」は /ʃiː/ の音です。

Let’s try! We can! の巻末についているアルファベットカードの大文字は、音によって色分けがされています。
“a” の仲間は “h (/eɪtʃ/)” “j (/dʒeɪ/)” “k (/keɪ/)” で、 /eɪ/ の音が含まれています。 カードの色分け作業を通じて、子供たちは音を意識することができます。
“b” と「ビー」は同じ音のようですが、破裂の強さが異なり、英語の方が強く、VOT (Voice Onset Time) が長いです。ティッシュペーパーを口に当てると、破裂の強さの違いが意識させられます。
“c” の /sɪː/ は、Praatを用いて音素に気づかせる活動と関連付けて取り組めます。
「うし」の音を逆再生すると、「いす」ではなく、「いしゅ」になります。
/usi/ → /isu/ ではなく、 /ushi/ → /ishu/ になるからです。
逆再生して「いす」になるように /usi/ の音を練習すると、 /si/ の音を習得することができる。この音を伸ばすと、”c (sɪː)” になります。

「ABC」の3音に絞り、練習をさせるだけでも、とても楽しい授業です。

Wells, J. C. (2008). Longman pronunciation dictionary (3rd ed). Pearson/Longman.