Where is the treasure?

We can! 1 Unit 7 では、 “Where is the treasure?” の表現が登場します。
Hi, friends! 2 では、Lesson 4 “Turn right.” で道案内が扱われていました。
“Turn left.” “Turn right.” “Go straight.” の表現を定着させた後、教室内を町に見立てて、実際に道案内活動に取り組ませます。

私は英語教室の床に直接印を書きました。印を書いておくと、町作りがしやすいです。
ワックスがけの前に書いておくと、印が消えにくくなります。英語教室だから書けますが、通常の教室では難しいですね・・・。

スタート地点が4つありますので、地図を4種類作りました。

これはAがスタート地点の地図です。
地図の場所は、校区内のお店や施設の写真を使いました。

町探検の活動を行う際は、教室内を町に見立てて、机を地図のような配置にします。机上には、A4にプリントアウトし、ラミネートしたお店や施設の写真を裏返しにして置いておきます。
床の目印には、マーカーコーンを置きます。AMAZONで40枚セットが2000円弱でした。

児童は「案内役」と「迷子役」に分かれて活動をします。
迷子役は行き先カードを引きます。
例えば、「駅」のカードを引いた児童は、案内役の児童に “Where is the station?” と尋ねます。
案内役の児童は “Turn left.” “”Turn right.” “Go straight.” の表現を用いて、迷子役の児童を行き先に案内します。
行き先に到着したら、案内役は “Here.” と指します。迷子役は机上の写真を裏返します。無事到着したら、このペアでのやり取りは終了です。間違えた場合は、尋ねた目的地までの案内を続けます。

備品として、「警察官」や「カフェ店員」のコスチュームがあります。また、100均で購入した「案内係」の腕章があります。案内係の児童は、これらの衣装を身につけて、迷子役の児童を案内します。
“left” “right” の方角は、分かっているつもりでも実際に歩き出すと混乱することが多いです。友達とのやり取りを通じて、 “Turn left.” “”Turn right.” “Go straight.” 等の表現を身につけられるようです。

浮沈紙の作り方

手品です。 ペットボトルに入っているプラスチックの魚(タレ瓶魚広口:お寿司屋さんで醤油が入っている入れ物)が、自在に上がったり下がったりします。 ペットボトルを押すと、パスカルの原理で魚の中の空気が圧縮され、水が入ってくることで重さが増し、下に移動するというタネです。 逆に、ペットボトルの力を緩めると、魚の中の空気が元に戻り、魚の中の水が排出されることで上に移動します。 この手品を「浮沈子」といいます。
作り方は、まずプラスチックの魚(タレ瓶魚広口)に、ナットをつけます。 プラスチックの魚は3ml、ナットはM6がちょうどいい大きさでした。
プラスチックの魚のひれ部分だけが水面からでるくらいまで、水を吸い込みます。 ペットボトルに水を満タンまで入れ、プラスチックの魚を入れて、蓋をすれば完成です。 魚が下に下りてから上がらなくなった場合は、ペットボトルの水を少し減らすか、魚の水を少し抜いてください。 逆に、なかなか魚が下りない場合は、魚にもう少し水を吸い込ませてください。 ずっと遊んでいる内に、魚が沈んだままになって、上に浮き上がらなくなることがあります。これは魚内部の水が増えてしまっているだけなので、魚の水を少し抜いてください。 プラスチックの魚に、油性マジックで色をつけると、個性的な浮沈子ができますよ。

日本語の音素に気づかせたい(2)

3年生の国語で習うローマ字は訓令式です。

一方、英語でのローマ字表記はヘボン式です。
無声子音では、「し」「ち」「つ」「ふ」の表記が異なります。

「し」をヘボン式で書くと、 “shi” になります。
これは、「しゃ」「しゅ」「しぇ」「しょ」の表記に近いです。
(“Sha” “shu” “she” “sho”)

Praatで実験をすることができます。
「うし」と録音し、逆再生するとどう聞こえるか子供たちに発問します。

この授業を行うとき、「うし」→「しう」ではないことを、子供たちは知っています。”usi” → “isu” つまり、「いす」になると予想をする児童が多いです。

実際に録音し、逆再生してみると、「いしゅ」のように聞こえます。
ヘボン式で表記すると、 “ushi” → “ishu” になることが分かります。

実は、「し」は「さ、す、せ、そ」より「しゃ、しゅ、しぇ、しょ」に近い音です。
試しに、「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」と言ってみても、それほど違和感がありません。
訓令式の “si” をそのまま発音すると /si/ となり、「し」の /ʃi/ とは違う音になってしまいます。
Praatを用いて逆再生の波形を見せ、聞かせることで、ヘボン式の仕組みを納得させることができると思います。

ちなみに、訓令式「し (si)」の表記は、アルファベット “a, b, c, d, e…” の “c” (/siː/)の音を表します。
日本語母語話者はアルファベットの “c” を /ʃiː/ と言いがちですが、実は “sea” (海)と同じ /siː/ です。そして、/ʃiː/ は “she” (彼女)と同じ音です(Wells, 2008)。

Wells, J. C. (2008). Longman pronunciation dictionary (3rd ed). Pearson/Longman.

母音ばかり

日本語は5つの母音があり、子音+母音の組み合わせが多く、母音優位の言語です。
母音ばかりでも文ができる、世界的にも珍しい言語だそうです。
そこで、母音ばかりの文を集めてみました。

あなたがたは ばかな 方々だ。
(川原, 2015)

全て母音が「あ」です。

ママはサラダかな パパは魚だな
(ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ、偕成社より)
これも全ての母音が「あ」ですね。

この音 外のトトロの子供の物音
全ての母音が「お」です。

大エイを上へ おいおい 追い合おう
(川原, 2015)
全ての文字が母音(あいうえお)です。

英語を指導する上で、まず日本語の楽しさを発見させたいと思っています。

川原繁人 (2015). 「音とことばのふしぎな世界 : メイド声から英語の達人まで」. 岩波書店.

英語の「左右」は難しいようです

「左」は英語で “left” 「右」は英語で “right” です。
「レフト」「ライト」は、特に野球をしている子供たちには馴染みのある単語です。

アメリカの子供たちは、左手の親指と人差し指で “L” の字を作れるので、左手= “Left” の “L” と覚えます。

ライトとレフト 右と左の 教え方 覚え方

一方、 “right” は “write” と音が同じなので、 “write” する手が “right” という覚え方があります。「左利きは?」という質問も子供たちから出ますが、「音が同じだから、こういう覚え方もあるんだよ」と話します。

“Left” “right” を定着させるために、「旗揚げゲーム」のような活動が有効です。
“left 上げて” “right 上げて” “left 下げないで” “right 下げる” のように指示します。
日本語が混じりますが、初期段階ではとても有効なゲームです。子供たちには目を閉じさせて取り組ませます。目を開けたとき、指示通り動けていたかが一目瞭然です。

次に、 “turn left” “turn right” ゲームをします。
“turn left” と指示されれば、“turn left” と言いながら左に90度回ります。
“turn right” と指示されれば、“turn right” と言いながら右に90度回ります。
“go straight” と指示されれば、“go straight” と言いながらその場で2歩足踏みをします。

安全のために椅子を机の中に入れさせた上でゲームに取り組みます。
ルールを確認できた後、目をつぶって取り組ませます。
目を開けたとき指示通りに動けていたかが確認でき、互いの様子を見て盛り上がります。

このようなゲームをある程度繰り返すことで、 “left” “right” を定着させることができます。

この段階でALTに同じゲームをしてもらうと、混乱してしまう児童がたくさんいます。
分かっていたつもりが、母語話者の英語を聞くと分かりづらいのです。

この混乱の原因は、英語の “left” と “right” の音がよく似ているからにあります。
語頭の子音 (onset) は、流音の /l/ と /r/ です。
母音 (nucleus) は /ɛ/ と /aɪ/ ですが、/ɛ/ と /a/ の調音位置がとても近いのです。
ですから、日本語母語話者が混乱するのも無理はありません。
詳しくは、岡本 (2019) にて音響音声分析から考察しています。

岡本真砂夫. (2019). 音響音声学に基づく “Left” と “Right” の分析 ―児童の混乱要因―. JES Journal, (19), 86–100.

“Do you have 〜?” におけるカードの使い方

第1時 ジャンケン列車ゲーム
文房具のカードから、まずは1枚だけ好きなカードを切り取らせます。
全員がカードを1枚持ち、互いに自分と同じカードを持っていないか尋ね合わせます。
例えば、 “pencil” のカードを持っていれば、 “Do you have a pencil?” と相手に尋ねさせます。持っていれば “Yes, I do.” 持っていなければ “No, I don’t.” となります。
同じカードを持っていれば、ジャンケンをして、ジャンケン列車を作っていきます。
ジャンケン列車が一通りできあがった後、全員をその場にしゃがませます。

“Pencil team, stand up.” と立たせ、全員に “Do you have a pencil?” と尋ねさせます。立っている児童は、 “Yes, I do.” と答えます。

ジャンケン列車ゲームはシンプルだが、シンプルな分、表現を用いやすい利点があります。すぐに取り組めるのも利点です。

第2時 カード集めゲーム
文房具カードを全て切り取らせます。
教室の中を自由に歩ける環境で、相手とジャンケンをします。
勝った児童は、 “Do you have a pencil?” と自分のほしいカードを相手に尋ねます。
ジャンケンに負けた児童が “pencil” カードを持っている場合、勝った児童はほしいカードをもらえます。持っていない場合、もらえません。つまり、ジャンケンに勝ってもカードをもらえるとは限りません。
このゲームはとても盛り上がります。しかも、対話するたびに “Do you have 〜?” と尋ねるので、対話文を定着させやすいといえます。

ある程度時間が経った段階で “Please go back to your seat.” と席に戻らせ、好きな文具カード6枚を Let’s try! に貼らせます。好みのデザインに貼る児童もいますし、バラバラのカードを貼る児童もいますし、同じカードを6枚貼る児童もいます。
子供同士互いの文具を見せ合うことで、盛り上がります。

Scratchでプログラミングをしてみて

Scratchで、簡単なゲームをプログラミングしてみました。

Scratchは扱いやすく、マウスだけでもプログラムを組むことができます。しかも、osの制限を受けず、様々なデバイスで動作させることができます(これが最も大きな驚きでした)。
有名なプログラミング言語であるc やswift 等は、パソコンやゲーム専用機、スマホ等、特定のデバイスでしか動作しません。私が最もよく使ったFlashは、パソコンのブラウザでしか動作しませんし、今年中の廃止が確定しています。何とも残念です・・・。
Action scriptやPraat script, JAVA script等は記入ルールの違い(キャメルケース等)がありますが、よく似ていますので、一度覚えると応用が利きます。Scratchは確かに簡単ですが、マウス主体故のもどかしさもありました。
エディタでソースコードを書けないこと、特にコメント(#)記述ができないことは、かゆいところに手の届かないような感じでした。また、スプライトに直接プログラムを記載しますので、オブジェクト指向のプログラムが組みにくく、込み入ったプログラムを記述するのは難しそうです。
使ってみて、そんなマイナス面も感じましたが、手軽にプログラミング体験ができるのは他にない利点です。一度挑戦してみてはいかがでしょうか?